研究課題/領域番号 |
18K04128
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
新井 宏之 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (00193053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 光アンテナ / マルチビームアンテナ / 走査ビームアンテナ / ワッフル導波路 / フォトニックレフレクタ / ワッフルアイロン導波路 / シリコンフォトニクス / 超高利得アンテナ |
研究実績の概要 |
本研究では第6世代の移動体通信として期待される超高速通信を実現するために,多数のビーム形成可能なマルチビームと,簡単な給電回路による走査ビームアンテナ双方の利点を取り入れ,超高利得でマルチビーム走査を可能とする新たな光アンテナ構造を見出すことである. 初年度での検討で,世界で初めてとなるフォトニック結晶で構成されたオフセット二次元構造レフレクタを試作してその効果を明らかにし,高利得のビーム走査が実現できることを実証した.この成果に引き続き,光漏れ波アンテナのさらなる利得向上を目的とした導波路として摂動量を微細に設定可能なワッフルアイロン導波路に用いて,詳細な理論解析と設計試作を行いグレーティング導波路に対して5dB以上,従来から提案したワッフル導波路に対しても1.4dB以上の利得向上を確認した. また,マルチビーム走査を行うために必要な室内伝搬環境について,実用的な通信条件を設定した回線設計を行い超高速通信を行うために必要なセルの構成法について明らかにした.マルチビーム形成法としては,フォトニックリフレクタを拡張した多焦点を有するリフレクタ構造を新たに提案し,波長走査によるビーム走査軸と直交する方向に複数のビームを形成できる給電構造を新たに見出した.高利得ビーム走査が可能なワッフルアイロン導波路と多焦点給電に対応するフォトニックリフレクタを組み合わせることにより,超高利得マルチビーム走査を可能とする光アンテナの実現性の可能性を明らかにした.
以上の実績は国内外で高く評価され,4回の招待講演(基調講演1回を含む)を依頼され発表を行い高い評価を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たに提案したワッフルアイロン構造での利得向上を試作実験によって確認し,本研究の目的であるマルチビーム走査を簡単な構造で実現できる多焦点フォトニックリフレクタの原理を提案し,その特性をシミュレーションによって確認していることが評価できる.また,基板の上下面に放射する問題については,基板裏面の処理などで解決できる見通しを得ている.さらに,実用化を目指した実際の環境を想定した上での回線設計も行い,マルチビーム走査アンテナの原理も確認している.
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今後の研究の推進方策 |
回線設計で明らかにした必要なビーム形成を行うためのマルチビームの実現に向けた給電構造の最適設計と,漏れ波アンテナと組み合わせた実用的なアンテナ構成法を見出す.また,フォトニックリフレクタについても最適化を行い,ビーム走査性の向上やアンテナ開口効率を改善するための検討も実施する予定である.
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