遅延を歪みと解釈したりコストと解釈したりすることによって従来の情報理論の枠組みで主要となる問題を数理科学的に解析することができた。歪みに関する結果として、符号化法における固定長符号化と可変長符号化の違いと歪み制約における平均歪み制約と最大歪み制約の違いによって定式化の違いが生まれるが、そのすべてにおいて雑音を伴う一般情報源に対するレート歪み問題を雑音のない問題へ帰着することができた。コストに関する結果としては、従来のコストの概念を拡張して通信路の出力に掛かるコストに関する最適解を導いたほか、この問題の解法を応用することによって適用範囲の広い確率的コストについても最適解を導くことができた。
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