サイバー空間に蓄積されるデータを活用した新しい価値を創造するデータ駆動型サービスにおいては,データの提供者と利用者の間で真正性が保証されたデータの流通がなされなければならない.一方で,提供者と利用者のプライバシーへの懸念が高まっている.提供者と利用者の双方が安心してサービスを利用するために,プライバシーに配慮してデータをセキュアに流通させる技術の開発は,多数の主体がデータを利活用するための情報基盤に必要不可欠である.そこで,データ提供者のプライバシーを考慮したデータの匿名化と存在証明ができるデータ提供方式と,データ利用者のプライバシーを考慮した匿名で利用資格の確認ができるデータ取得方式の開発を行う. 本年度は,2020年度までに設計したサービスプロバイダを介した提供者と利用者のデータ流通において,提供されるデータおよびサービス要求に真正性を,データの起源となるセンサー情報とサービス要求の出所となる利用者情報に匿名性を与えられる,耐タンパー性を持つ暗号鍵の保管と暗号演算ができるハードウェアセキュリティモジュールを用いたデータ提供方式とデータ取得方式のための認証システムと認可システムについて実装を行った.そして,データが流通する各種の応用システムについて検討した.
|