研究課題
基盤研究(C)
ワイヤレス電力伝送技術は配線が不要であるため,日常生活の様々なシーンにシームレスに適用でき,生活様式を一変させる可能性を秘めている.一方,送電設備と受電機器との配置には一定の制約があり,どんなものにでも電力を送ることは難しい.本研究では,送電設備で制約となる背面に置かれたものの影響をなくすためのメタ表面を提案し,解析および実験でその有効性を確認した.
電磁波工学
従前より提案されてきたメタ表面は直交座標系で周期配列されたものであった.本研究では,ワイヤレス電力伝送で用いられるコイルに流れる電流に適合するよう円環状に周期配列されたメタ表面を提案している.このメタ表面は,金属膜のみが使用されているため,磁性材料よりはるかに薄く軽量で,安価に作製でき,湾曲させることも可能である特徴を持っている.また,部品を実装するだけでメタ表面と金属膜の特性を切り替えられる可能性も秘めており,ワイヤレス電力伝送できる機器の種類,配置に飛躍的な自由度を与えることができる.