研究課題/領域番号 |
18K04145
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松元 隆博 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (10304495)
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研究分担者 |
松藤 信哉 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00173873) [辞退]
井田 悠太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (20711229)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光無線通信 / 水中通信 / 光CDMA / 光ZCZ系列 / ZCZ-CDMA方式 |
研究実績の概要 |
本研究では,海中で,省電力で長距離伝送ができ,かつ複数機器による同時通信が可能な高速光無線通信方式の実現を目指す.これは複数の送信局の識別や中継経路の識別を行なうための符号分割多元接続(CDMA;Code Division Multiple Access)技術と中継途中に並列に配置した複数の中継器を複数のアンテナに見立てたMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)技術によるダイバーシティ効果によって実現する.CDMAで用いる系列は,系列数が数学的上界を満たした上で,系列間で直交する光通信用の系列を設計する.中継器では受信信号の分離と合成等を行ない,SN(Signal to Noise)比を向上させ,通信性能の向上を目指す.また,その際に信号処理の複雑化による回路規模と電力の増大が問題になるが,その小規模化と省電力化についても検討し,実用的なシステムの実現を目指す. 令和3年度は,昨年度に設計したパルス位置変調(PPM;Pulse Position Modulation)による光CDMA方式に適した系列を改良し,時間遅延による影響を抑圧できる新しい系列を設計した.具体的には,従来の系列ではビットデータを検出するためのピーク値が隣接しており,受信時に時間遅延があれば符号間干渉が発生し,BER特性の劣化を招いていた.提案する系列では,そのピーク値の間隔を時間遅延を考慮して広げられるようにしている.これにより時間遅延による符号間干渉を抑圧できると予想される.この研究内容は,国内のシンポジウムとオンラインで実施された国際会議で発表を行った. また,これまでに生成出来なかった零相関区間(ZCZ;Zero-Correlation Zone)を有する光ZCZ系列の設計方法を提案した.これより偶数長の零相関区間(ZCZ)を有する光ZCZ系列を全て生成出来ることになり,実用化の際の自由度が向上する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 新型コロナの影響で対面による実験をする時間が制限されたこと,研究代表者の大学異動により研究室の立ち上げがスムーズにいかず,伝送実験等を行うまでに至らなかった.
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今後の研究の推進方策 |
まずは新しい大学で伝送実験を行える実験環境を整えることに注力する.また,新型コロナの影響により,実験をする時間が制限されているが,少人数で実験できるように工夫し,多くのデータを取得し問題点の解明とその対策の検討を行なう.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響で,学外発表の機会が制限されたこと,伝送実験等の対面での研究活動が制限されたために今年度の使用額が少なかった. 次年度はこれらの学会での発表と伝送実験を行うために研究費を使用する予定である.
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