強度変調放射線治療計画を実現する原理は,照射ビーム係数に関する評価関数の最適化問題に帰着される.すべての線量制約がacceptable(許容)とは限らない逆問題設定に対し,必ず満たすべき制約条件と可能な限り制約に近づけたい条件に分離して最適化問題を定式化し,解決法を提案した.解の安定性を理論的に解決させたのち,線量体積と平均線量の制約を評価とする困難な臨床例を用いた数値実験を行い,提案法が実用的な演算時間でacceptableな計画を導くことができることがわかった.全体がunacceptableな計画に対しては,残り一つのunacceptable制約をできる限り満たす期待通りの結果が得られた.
|