研究課題
Total hip Arthloplastyの手術中に不具合があると高齢者の寝たきりを招く可能性がある.臼蓋に設置するカップは解剖学的に深部であるため,大腿骨に設置するステムと比較して 3倍多く固定不良などの不具合が生じる.カップを臼蓋に設置する際のハンマリング音を周波数解析することで,固定が得られたか否かの評価が可能か検討した.対象は人工股関節置換術を施行した11例11関節とbiomechanical test materials,orthopaedic modelsとした.手術と実験は股関節を専門とする整形外科医により行われた.システムはタブレットPCと,指向性マイクロフォンにより構築し,振幅が最大となるピーク周波数を求め,カップの固定性の判定処理(安定,不安定)をリアルタイムで行った.Clinical trialsにおいて,安定を示した最大ピーク周波数は4.42±4.02 kHzであった.Biomechanical testsにおいて,安定を示した最大ピーク周波数の平均値はBM4.46±1.19 kHz,OM4.56±2.02 kHzであった.ハンマリングを継続し,骨折に至るとBM,OMいずれも周波数が低下した.
2: おおむね順調に進展している
本研究課題の進捗が当初の予定通り,計画的に進んでいるため.
本取組の最終目標は,医師と患者に安全・安心を提供できるナビゲーションを提供することである.当該年度は模擬骨と生体骨の物性の差を明らかにする中期のフェーズと位置付けた.今後は手術室への持ち運びと操作性が簡便な小型デバイスの改良を重ね,医師によるアクセシビリティの検証を進めていく計画である.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
Journal of Biomedical Science and Engineering
巻: 13(5) ページ: 74-80
10.4236/jbise.2020.135007
骨折
巻: 42(3) ページ: 1087-1090
巻: 12(5) ページ: 277-284
10.4236/jbise.2019.125020