数ナノグラム以下の質量変化を共振周波数の変化として検出可能なQCM(Quartz Crystal Microbalances:水晶振動子微量秤)について,より短い測定時間で測定精度を向上させるための研究を行った.従来の測定方法では水晶振動子を発振回路に組み込み,発振周波数の変化を読み取るために周波数カウンタを使用していた.この方法ではカウンタのゲート時間によって測定時間が決まるだけでなく,周波数測定精度を向上するためにはゲート時間をより長くする必要があり,測定精度向上と測定時間の短縮は相反するものであった.本研究成果によって時間分解能はマイクロ秒のオーダに短縮され,周波数分解能も6桁向上した.
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