研究課題/領域番号 |
18K04188
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
大川 晋平 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医用工学, 助教 (20432049)
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研究分担者 |
櫛引 俊宏 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医用工学, 准教授 (30403158)
平沢 壮 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医用工学, 助教 (60583086)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 光音響イメージング |
研究実績の概要 |
光を用いた治療技術(光線力学的治療や低出力レーザー光)やオプトジェネティクスなどを用いた細胞の精密な制御には、その対象となる細胞や組織に光エネルギーがどの程度到達し、吸収されるのかを計測し、生体に照射する光を制御する必要がある。2018年度は生体内で光を吸収する色素濃度の定量的なイメージング計測法の研究を行った。 この方法では、生体内のヘモグロビンなどの光吸収色素が光エネルギーを吸収した際の熱膨張によって生じる超音波(光音響波)を測定し、その情報から、生体内の色素濃度分布を画像化する。画像化においては、色素濃度分布を仮定し、生体内の光・光音響波の伝播シミュレーションを行って測定された光音響データを予測して、その予測値と実測値ができるだけ近い値となるように色素濃度分布を計算する。そのための光・光音響波伝播シミュレーションと、色素濃度分布計算のアルゴリズムを構築した。また、実際にレーザー装置を用いて、インクや光散乱物質を用いた生体の光学的・音響的特性を模擬した試料(ファントム)について光音響測定を行い、そのデータから色素濃度分布を画像化することを行った。さらに、ウサギを用いた動物実験を行ってヘモグロビン濃度分布を画像化することを試み、その成果を国際会議にて発表した。また、実際に細胞に光を照射して制御を行う実験のための準備を進めた。 次年度以降はファントム実験と細胞を用いた実験をすすめ、色素濃度分布のイメージングと光照射と細胞の反応の制御に関する検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は細胞計測とそのモデリングを行う予定であったが、光吸収色素の定量的イメージングに関して進めることに変更したが、次年度以降にも必要な画像化技術に関する研究について進捗があったため、順調であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
オプトジェネティクスのための細胞を準備し、光照射による制御に関してデータを蓄積し、数理的なモデリングを行う。細胞のイメージングのための色素や波長などの検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞を用いた測定を次年度に行うこととしたことやこれまでの実験系を応用することができたことで差額が生じた。次年度以降に細胞実験と実験系の改良を進める。
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