研究実績の概要 |
ビークル制御について, ドリフト状態を含む幅広い動作領域を表現可能なモデルの作成をおこなった. 従来では車速一定の条件下でモデル化が行われることが一般的であったが, 加減速・荷重移動も考慮したモデルを構築することによって, ナチュラルな車両の動作をシミュレートできるようになった. また, 車両のサスペンションなどの受動メカニズムの最適設計に関する研究の一環として, エネルギー効率に優れた自転車の駆動系メカニズムの設計についての結果をまとめ, 国際会議IEEE CoDIT2019に投稿, 採択された. 計測系(カメラシステム)については, 視野角の広い魚眼レンズの歪みモデルについての検討を進めている. 一方, 制御系設計については, まず非線形最適制御問題を数値的に解く方法についての考察を進めた. 具体的には, 閉リンク系の最適動作軌道設計問題に対して, 動的計画法, 階層勾配法, 微分動的計画法, 逐次二次計画法を適用し, 実用可能性についての検討をおこなった. これはアシスト技術の福祉応用にもつながる研究であるが, この結果について国際会議 IEEE ICM2019 にて発表をおこなった. さらにモデル予測制御系の実装に関する検討も進めており, 台車振子系を用いた実機実験の準備中である. L0制御系設計については, 近年注目されているスパース制御系設計の視点から古典的な月面軟着陸問題を捉え直し, ボール&ビーム系に対する適用を検討した. L1制御系設計に関する基礎検討にも着手しており, プリンタ定着器温度制御系に対するヒータ予熱制御への適用を検討中である.
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