研究課題/領域番号 |
18K04213
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
西田 豪 日本大学, 工学部, 准教授 (80435669)
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研究分担者 |
坂本 登 南山大学, 理工学部, 教授 (00283416)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非線形制御 / 最適制御 / 分布定数系 / 数値計算 |
研究実績の概要 |
本研究は,非圧縮性流体,大変形柔軟構造物,蓄電池化学反応などに代表される「非線形分布定数系」に対して,固有の非線形性を最大限に利用し,かつ,従来法のような解析解の情報を必要としない「数値解に基づく非線形分布定数系の最適境界制御設計法」の確立を目的としている.
本年度の実施の概要として,非線形最適制御設計法である安定多様体法における「解空間の効率的な表現法と探索法の導出」,および,安定多様体法に適用可能な形式な「動的モード分解によるモデル縮約法の考案」の基礎考察を行い,関連する結果を国際会議にて発表を行った.また,安定多様体法の計算アルゴリズムの並列化を行い,計算機クラスターにて動作確認を行った.これまでの安定多様体法の実施において,初期値設定に経験則を利用しており,求解のための計算時間が予め推測できないという問題点があった.実施した並列化は,この問題点を解決するための基盤を与えるものであり,この結果に基づく統一的な探索アルゴリズムの検討が期待される.
令和2年度においては,これまでの検討結果に基づき,研究の最終目標である「非線形分布定数系の最適境界制御」に着手する.これらは,実施項目 D) 幾何学的性質を利用した境界制御の適用,および,E) 非線形分布定数系の最適境界制御法の検証,に該当する.これらの項目の実施には,これまでに得られた成果が応用できると考える.また,これまでの結果の論文化を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度後半に,研究代表者が所属する大学の敷地が,台風19号による被災を受けた.被害が相当程度に大きく,復旧作業に時間がとられてしまった.
本年度実施した,安定多様体法に用いられる「解空間の効率的な表現法と探索法の導出」,および,「動的モード分解によるモデル縮約法の考案」の国際会議にて発表に基づく論文執筆を,至急行う必要がある.また,安定多様体法の計算アルゴリズムの並列化に基づく,より高度な探索アルゴリズムの考案も同時に実施し,令和2年度の実施予定内容に反映させる.
令和2年度においては,上記の内容に加えて,研究の最終目標である「非線形分布定数系の最適境界制御」を実現するため,実施項目 D) 幾何学的性質を利用した境界制御の適用,および,E) 非線形分布定数系の最適境界制御法の検証,を予定している.遅れている研究成果まとめについては,これらの実施には必須ではないため,ある程度並列して実行が可能であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度以降,これまでの準備に基づき,得られた結果の論文化を実施するとともに,研究の最終目標である「非線形分布定数系の最適境界制御」を実現を目指す.最終目標については,実施項目 D) 幾何学的性質を利用した境界制御の適用,および,E) 非線形分布定数系の最適境界制御法の検証,を実施することで達成できると考えている.
実施項目 B) 解空間の効率的な表現法と探索法の導出,および, C) 動的モード分解によるモデル縮約法の考案,に関する新たな計算法については,計算機クラスターを用いて並列化された安定多様体法を実行し,様々な数値計算により実証を行うことを予定している. また,これらの結果に基づく新たな基礎理論の考案を行う予定である.
実施項目 D) 幾何学的性質を利用した境界制御の適用,および, E) 非線形分布定数系の最適境界制御法の検証,については,これまでの結果に基づく境界制御を新たに考案し,研究成果をまとめる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の国際会議での発表に関して,研究分担者の事情により参加しなかった旅費分が,主に残されている金額に相当する.令和2年度においては,新型コロナウイルスの関係上,海外渡航が困難になることが予想されるため,遠隔会議などで必要になる物品などの購入を検討している.
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