本研究では,制御工学分野で広く活用される状態空間法を用いて,不等間隔時系列に対して線形フィルタを適用する手法を提案した.そしてこの手法を,心拍間隔時系列が含む特定帯域パワー和を意味するLFやHF,VHFと呼ばれる心拍変動指標の推定に適用し,従来手法よりも高速に指標を推定できることを示した.さらに,これらの心拍変動指標の比で定義され,身体的疲労度を反映するとされる呼吸反射指標に着目し,この指標を算出しサーバ送信する腕時計型ウェアラブル端末と,ウェブブラウザ上に複数名の指標値を集約表示するウェブアプリにより構成される疲労度提示システムを構築した.
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