研究課題/領域番号 |
18K04225
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
鮫島 俊之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30271597)
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研究分担者 |
水野 智久 神奈川大学, 理学部, 教授 (60386810)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 375 nm紫外レーザダイオード / 実効キャリヤライフタイム / 光侵入長 / 再結合欠陥 / PN接合 / イオン注入 / 活性化 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトにて作製した多波長光照射型実効キャリヤライフタイム測定装置を用いた結晶シリコン試料の実効ライフタイムのバイアス依存性の計測を行った。熱酸化膜膜を施したn型結晶シリコンにボロンとリン原子をイオン注入して900℃ 5分の活性化を施してPN接合を形成した試料を準備した。熱酸化膜を除去した後に基板の表面と裏面にAlの細線電極を形成してバイアス印加を可能にした。試料を導波管のギャップに挿入しマイクロ波を照射した。同時に450、635、980 nm三波長の光を照射して、光誘起キャリヤを生成三波長の光照射による実効キャリヤライフタイム測定を測定した。Alの電極を十分細くすることによりマイクロ波がAl電極により散乱されることなくライフタイム測定が可能になった。三波長の光照射により得られた実効ライフタイムはいずれも顕著なバイアス依存性を示した。即ち逆方向バイアス印加時はライフタイムは小さかったが、バイアスが0.2から0.5 Vに大きくなるにつれてライフタイムは急激に増大した。そして0.5 V以上は一定のライフタイムとなった。そして波長が短い450 nm光照射の場合は全体にライフタイムが小さく、そしてライフタイムのバイアスによる変化が大きかった。これに対し980 nm波長の光照射の場合にはライフタイムが大きく、ライフタイムのバイアスによる変化が小さかった。本年のバイアス印加用電極形状の開発によりPN接合を有するシリコン半導体の実効ライフタイムのバイアス依存の検討が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バイアス印加用電極形状の最適化によりPN接合を有するシリコン半導体の実効ライフタイムのバイアス依存の検討が可能となったこと。
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今後の研究の推進方策 |
①PN接合の4波長光照射実効キャリヤライフタイムの計測およびライフタイムのバイアス依存性計測 ②パッシベーション装置準備、PN接合試料にパッシベーション適用して実効キャリヤライフタイム特性計測
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次年度使用額が生じた理由 |
・研究室保有機材の流用による経費削減 ・昨年度繰越分及び本年度分(当初計画分)を研究進捗に沿って執行する
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