研究課題
最終年度は3種類のGaN上に形成した電極の評価を行った。(1)表面処理の異なる3種類の電極(無処理、アンモニア処理、塩酸処理)に対して400度Cの熱処理を行うことにより、アンモニア処理試料が良好な均一性を保ち、理想的な電圧ー電流特性を示すことを明らかにした。(2)ナノインクを用いて印刷法により形成したNi電極はAgの場合よりGaN表面に広がりよく塗布され、500度Cの熱処理で均一な界面が形成されることを可視化した。(3)電気化学的にウエットエッチングしたGaN表面の評価では、電解液の違いにより光電流の変化量が異なることを見出した。また、AlGaN/GaN HEMT構造に対しリセスエッチングした場合では、チャネルの空乏化を電流像として捉えることができた。これらの結果は本研究課題が提案した界面顕微光応答法の有効性を実証したものである。研究成果の論文化においては、SiC結晶の表面欠陥2次元評価、電気化学エッチングしたGaN表面の評価、ファセット成長したGaN基板に形成した電極の耐圧評価、p-GaN電極のMg濃度依存性評価における光電流測定の有効性の4件が採択されただけでなく、これまでのマッピング評価の成果をレビューした解説論文も1件採択された。グラフェン上におけるGaN、及びSi成長については、多機能2次元構造形成におけるグラフェン化過程について初期AlN層数とグラフェン化条件との関連性を明らかにした。研究期間全体の成果をまとめると、本研究のコアである界面顕微光応答法に近紫外光励起の機構を付け加える提案は、高電圧印加による劣化の原因となるGaN結晶欠陥を特定することに成功した。波及効果として、表面損傷、表面溶液処理の違い、熱処理の影響に対しても有効であることも示した。また、SiC、α-Ga2O3にも本手法が応用できることも実証し、当初の目的以上の成果を残したと考えられる。
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