Nb3Sn超伝導体の性能のブレークスルーを達成するために、中間Cu-X活性層を利用した“特異”なNb3Sn拡散反応現象を発掘し、新たな機能創成につなげることを目指した。X元素として、Zn、Ge、Mgを検討した。Zn、Ge、Mgいずれにおいても結晶粒粗大化抑制効果が見られ、特にZnとMgの同時添加で、結晶粒微細化の効果が一層高まることが明らかとなった。Zn添加は特異的にβ-CuZn層を拡散反応界面に生成し、ボイドが大幅に抑制されることもわかった。Ti添加場所に関する研究では、母材にTiを添加した場合にTi-Sn化合物が微細化され、SnのCu母材中の拡散が促進されることが明らかとなった。
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