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2018 年度 実施状況報告書

CVD法を用いたSiCバルク結晶成長

研究課題

研究課題/領域番号 18K04252
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

升本 恵子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60635324)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード炭化ケイ素 / スパイラル成長 / エピタキシャル成長 / 3Cインクルージョン
研究実績の概要

本研究は、SiCデバイス製造工程の低減を可能とするCVD法を用いたSiCバルク結晶成長を目的としている。H30年度はCVD法を用いたスパイラルモードによるエピタキシャル成長の高速化と低欠陥化を行った。
まず、成長速度と欠陥密度の関係を評価した。成長速度を従来の20 μm/h から40 μm/hに増加させると、エピタキシャル膜の表面がほぼ欠陥で覆われるほど欠陥密度が増加した。成長速度増加のために原料ガスの流量を増加させるが、その増加に要する時間(ランプアップタイム)が欠陥密度に大きな影響を与えていることを見出し、ランプアップタイムを5分から1時間に大幅に増加させることにより、欠陥を抑制することに成功した。また、装置部材への付着物が欠陥の原因や長時間成長の妨げとなっていたが、欠陥の導入に影響の大きな部材を見出し、欠陥抑制のための部材交換頻度を決定した。また、成長中に塩化水素を添加することにより装置部材への付着物が低減することも分かった。成長時間が長時間化することによる成長モードの不安定化も懸念されていたが、5時間の成長においてもスパイラルヒロック形状が変化することなく安定に成長していることを確認した。
結果として、欠陥密度を1.6 /cm2まで低減させ、かつ成長速度を40 μm/hまで増加させることに成功した。CVD法を用いたSiC基板作製の実証のため、5時間で厚さ200 μmのエピタキシャル膜を成長し、エピタキシャル膜を基板から剥離し自立化した。クラック等の問題は発生せず、CVD法によるSiC基板が作製可能であることを確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

成長条件の改善や装置部材への付着物抑制により、当初の計画通りに成長速度の増加と低欠陥化を両立した。また、エピタキシャル厚膜の成長を実際に行い、H30年度には予定していなかった剥離による自立化を行った。

今後の研究の推進方策

実用化に向け、さらなる欠陥密度の低減に取り組む。現状、低密度ではあるが発生している欠陥について、断面観察を行い発生原因を解明する。その後、欠陥発生の原因となっている要素を除去するため、成長条件等を改善する。また、種基板とエピタキシャル膜との窒素濃度差によるストレス低減のため、界面層の導入や種基板の窒素濃度を変化させることを検討している。

次年度使用額が生じた理由

ウエハの研磨加工の枚数が想定より少なくなり、加工費が想定よりも低くなったため、次年度使用額が生じた。翌年度のウエハ研磨加工費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 4H-SiC C面 on-axis基板上の厚膜エピタキシャル成長2019

    • 著者名/発表者名
      升本恵子、児島一聡、奥村元
    • 学会等名
      第66回応用物理学会春季学術講演会

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公開日: 2019-12-27  

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