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2019 年度 実施状況報告書

CVD法を用いたSiCバルク結晶成長

研究課題

研究課題/領域番号 18K04252
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

升本 恵子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60635324)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード炭化ケイ素 / スパイラル成長 / エピタキシャル成長 / 3Cインクルージョン
研究実績の概要

本研究は、SiCデバイス製造工程の低減を可能とするCVD法を用いたSiCバルク結晶成長を目的としている。R1年度はCVD法を用いたスパイラルモードによるエピタキシャル成長の欠陥発生原因の解明および部材コーティングによる改善を行った。
H30年度に、成長速度40 μm/hで成長した厚さ200 μmのエピタキシャル膜の欠陥密度を1.6 /cm2まで抑制することに成功したが、まず、その再現性を確認した。同条件で成長した厚膜エピタキシャル膜の欠陥密度は、1.6~2.0/cm2の範囲であったことから、欠陥密度の再現性があることを確認することができた。そこで、欠陥発生起点の断面SEM観察、TEM観察及びEDX測定により欠陥発生原因の解明を行った。その結果、欠陥はエピタキシャル膜と基板の界面ではなくエピタキシャル膜中で発生しており、発生起点付近に炭素濃度の高い領域が存在していることが分かった。グラファイト部材からの炭素不純物の混入が欠陥発生の原因となっていると考えられる。成長中に基板を設置するステージとしてコーティングをしていないグラファイト部材を用いていたため、そのステージからの炭素不純物の混入の可能性が最も高いと考え、TaCコートのステージに変更した。その結果、ウエハの外周付近に発生していた欠陥を抑制することに成功し、炭素不純物の混入による欠陥の発生を抑制できたと考えられる。しかし、TaCコートのステージに変更することによって、ウエハ中心部での特異な分布での欠陥発生やキャリア濃度分布均一性の悪化など、解決すべき新たな問題が発見された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

欠陥の断面解析により欠陥発生の一因を特定することができ、その結果、さらなる欠陥抑制のための方針を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

TaCコートのステージを使用することにより、炭素不純物の混入による欠陥発生を抑制することができたが、新たな課題が発見された。TaCコートのステージを使用することにより、成長環境の何が変化したかを明確にし、ウエハ中心部での特異な分布での欠陥発生やキャリア濃度分布均一性の悪化を抑制し、低欠陥密度かつキャリア濃度分布の良好なエピタキシャル膜をスパイラル成長により作製する。その後、デバイス試作を行い実用可能性を検討する。

次年度使用額が生じた理由

想定より安価な物品を購入したため若干の次年度使用額が発生した。翌年度のウエハの研磨加工費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] SiC on-axisエピタキシャル層を用いた自立基板の作製と3Cインクルージョン発生原因の評価2019

    • 著者名/発表者名
      升本恵子、児島一聡、奥村元
    • 学会等名
      先進パワー半導体分科会 第6回講演会

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公開日: 2021-01-27  

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