研究課題
基盤研究(C)
液晶中に3~10%程度の反応性メソゲン基を有する異方性高分子を分散させ,透明状態から光散乱状態への電気的切り替えを可能とするリバースモード素子において,低電圧駆動化(~6 V)を目指した。従来の“高分子―液晶間の屈折率差による光散乱”の他に,“液晶ドメイン間での光散乱機構”を導入し,光散乱強度を低減することなしに,駆動電圧を低減することに成功した。新たな光散乱機構を取り入れたシミュレーションモデルも構築できた。
光デバイス
大小の液晶ドメインの再配向電圧の違いに着目し,“液晶ドメイン間での光散乱機構”を導入することで,光散乱強度を損なうことなく,駆動電圧の低減に成功した。従来の“高分子―液晶間の屈折率差による光散乱”機構と比較し,新規な光散乱機構の導入は駆動電圧を約半分にまで低減できることを,数値解析的に明らかにすることができた。リバースモード液晶素子は,スマートウインドウとして期待されているが,光散乱状態をプロジェクタースクリーンとして用いることで,透明ディスプレイにも応用可能である。