本研究では、海水中でのワイヤレス電力伝送を実現するため、海水中での電極表面に発生する電気二重層に注目した電界方式を提案した。まず海水中での電気二重層の発生とQ値の変化を調べ、RF帯でも電気二重層が形成されること、および海水のQ値向上を確認した。次に解析より結合器の形状と効率の関係を明らかにし、結合器を試作したところ、解析から得られた効率よりも大幅に改善した結果が得られた。この改善には海水の導電性が大きく寄与していることを発見し、導電性を積極的に活用する結合器を考案した。結果、6.78MHzにて伝送効率90%以上を達成した。さらに、同じ結合器を用いて動画をリアルタイム伝送も成功した。
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