NN-TCAMの基本アイデアの実証を行うために、まず機能設計と方式設計を行い、アーキ テクチャ的な動作を確認した。メモリベースの方式のために、回路・レイアウトの見地からの検討・検証が必須である。そのためにCMOS半導体チップへの具体的な実装を行う。 試作LSIの実測によりその有用性・利点/弱点等を定量的に評価・確認する。 まず前研究で開発済みのTCAMシミュレータを拡張することで、NN-TCAMシミュ レータを開発し、基本方式や追加機能ブロックについて検討した。さらに、180nmで開発済みのレシオレスTCAMチップを修正し、基本的な構成に関して、特許出願(1件)を行い、NN-TCAMの基本コア部分の回路設計を進めた。さらに、XORゲート等の単純な構成について、回路レベルのシミュレーションで動作検証を行うことに成功した。その詳細設計の過程で、大きな問題となった消費電力を改善するメモリの多段アクセスをベースとした新たな構成の検討を行うこととした。メモリの多段連続アクセスにより、特定のシナプスと、その接続元・接続先となるニューロン情報を連続的に抽出・更新し、重み演算結果を得る。さらに僅かな論理回路の追加のみで、前方検索(推論)を単独メモリチップ内で実現する基本方式について検討を行い、次の研究課題「メモリカスケード構成による記憶駆動型人工知能LSIの実現に関する研究」への移行を進めた
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