研究課題/領域番号 |
18K04275
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
大畠 昭子 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任准教授 (00301747)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 酸化グラフェン / メモリー / アナログメモリー |
研究実績の概要 |
酸化グラフェンにレーザーを照射し一部還元する事によって伝導領域を形成し、微細な抵抗を作製した。ここで作製された還元型酸化グラフェンに電極を付け、今年度本科研費を利用して購入した基本的電気的特性評価が可能な装置を使用し、この素子の電気的特性評価を行った。その結果、レーザーの照射強度などを変化させれば、メモリ機能を有する抵抗としての基本特性を得られる事がわかった。すなわち、電圧印加に対してヒステリシス特性を示し、メモリスターとしての特性を得られた、と考えている。この特性は、素子間ではばらつきがあるが、同じ素子では繰り返しの測定に関し再現される事も確認し、一時的な特性ではない事を確認している。この結果に昨年から行った材料物性評価結果(XPSおよびFTIRによる評価)をあわせ、論文としてまとめ、オープンアクセスのジャーナルNanomaterialsに投稿し掲載された。 一方、これまでの取り組みでは、素子特性の再現性に関わる特徴、また一部の素子ではヒステリシスの出現の仕方が違うなど、特性上理解できない部分がある。電気的特性評価と物性評価と合わせて取り組んでいく予定である。また、単体素子の電気的特性評価に加えて、素子応用に適用に取り組んでいるが、実験がウイルスにより施設閉鎖の影響も加わり遅れており、今後はシミュレーションや理論計算でも本素子の特徴を生かした応用を考えていく事を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナなどの影響で、実験および出張ができなくなり、また研究協力者も実験ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
実験などに制限があるため、シミュレーション、理論計算などにまず取り組む。研究協力者と実験が可能になりしだい、その実証に進む。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19のため実験施設閉鎖があり、その影響も受け計画が遅れており使用できなかった。今後は理論計算などをあわせて研究を進め研究を加速し、学会発表を行う予定である。
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