研究課題
基盤研究(C)
超伝導回路は数十GHzのクロック周波数で超低電力な動作が可能であり、次世代の回路技術として注目を集めている。超伝導回路の性能をさらに向上させる方法にパイ遷移ジョセフソン接合の導入がある。本研究ではパイ遷移ジョセフソン接合を含む回路構成法を検討し、あらゆる論理ゲートを設計できる方法を見出した。パイ遷移ジョセフソン接合を含む回路を解析できる回路シミュレータを用いた評価で、相補出力非破壊読み出しゲートが従来回路の半分以下の回路面積で実装できることがわかった。
超伝導エレクトロニクス
本研究により、超伝導回路のさらなる性能向上が可能になった。特に相補出力型の論理ゲートの大幅な小面積化と性能向上は、大規模なディジタル回路に欠かせないデコーダ回路の性能向上につながり、超伝導回路によるランダムアクセスメモリの大幅な小面積化も可能になった。開発したパイ遷移ジョセフソン接合を含む回路の解析ができる回路シミュレータは公開し、国内外の研究者に利用されている。