多層グラフェン(MLG)は、数10nm以下の微細線幅で銅よりも低抵抗になる可能性と高い電流密度耐性から、銅に代わる集積回路配線材料の候補として注目されるが、配線工程に適用可能な低温での成膜方法と、ドーピングによる低抵抗化が課題である。本研究では、デバイス上に直接形成が可能な固相析出法において、温度以外の作用源として電流を印加し、配線工程に適用可能な400℃以下でのMLG形成を実現した。また、昇温速度や膜厚の最適化により、低抵抗につながる結晶性向上と平坦性を両立するプロセス最適化を行った。また効果的なドーピング方法として、五塩化モリブデンのインターカレーションによりMLG膜の低抵抗化を実現した。
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