研究課題
本研究では、舗装路面や橋梁・トンネルなどのコンクリート構造物のひび割れ評価の高度化・効率化のために独自の深層モデルの適用法を開発することを目的としており、①学習に必要なデータ量が膨大でありデータ収集のコストを抑えること、②画素レベルでの教師データの作成が煩雑であり簡略化すること、③屋外の照明環境の変動による不鮮明な画像への頑健性を高めること、の3つの課題がある。最終年度は、前年度までに開発したアノテーションの省力化の方式により構築されるモデルの高精度化を検討した。本研究では、ひび割れ発生位置を特定するひび割れ検出モデルとそこから画素レベルでひび割れを抽出するひび割れ抽出モデルの二つを用いる方式を開発している。ひび割れ検出モデルでは,ひび割れに対してモデルの処理対象とする小領域を設定する方法によって,性能が低下することを明らかにした。この問題に対して,ひび割れ検出モデルの構築において,ひび割れありのクラスの定義方法を再検討し,精度の高いモデルを構築できる方法を確立した。また、ひび割れ検出モデルの学習やモデルの適用時に学習済みのひび割れ抽出モデルを適用することにより、ひび割れ検出モデルの性能が高まることを検証した。この方式を用いれば、一部のアノテーション済みのデータを用いて構築したモデルを使用しながら、未学習のデータを用いてひび割れ検出モデルを再学習させることにより、高性能なモデルを構築することが期待できる。今後、データ量を増やした検証実験を行い、有効性を明らかにする予定である。
すべて 2021 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)
Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. F3 (Civil Engineering Informatics)
巻: 77 ページ: 14~21
10.2208/jscejcei.77.1_14
画像ラボ
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