研究課題/領域番号 |
18K04319
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
党 紀 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60623535)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ハイブリッド実験 / 実時間載荷 / 時間遅れ / 発熱現象 / 時間補正 |
研究実績の概要 |
昨年度で作成した実験システムを用いて、ハイブリッド実験を実施した。実験では最初にゆっくりした速度で均一の速度で載荷し、地震応答を求めた。そして、速度を徐々に増加して、2mm/s,10mm/s,20mm/sの実験を実施した。得られた地震応答は概ねに一致しているが、速度の増加によって、ダンパーの応答荷重が大きくなり、応答も減少する傾向が見られた。なお、実時間のハイブリッド実験も実施したが、20mm/sの一定速度の実験結果と大差がない。しかし、実時間載荷のハイブリッド実験では、制御PCの時間制御の誤差が大きいため、実行時間は実時間の8倍もかかっていた。これを改良して、DSPを用いた実時間載荷では、時間制業は想定通りで、ほぼ実速度で実施できた。その時の応答とPC制御で得られた結果と有意義の差が見られていた。試験体も激しく発熱して、載荷時では載荷とともない、煙が確認でき、実験後も試験体の変色が見られた。これは発熱により金属パネルダンパーが高温となったことが推定できる。 応答曲線では、今まで見られていない高周波数成分が見られているため、応答結果には発振が発生しているとの疑いがある。また、制御信号と計測した変位を比較してみた結果、わずかに40ms(0.04s)の時間遅れがあった。また載荷振幅も指令信号よりアンダーショットしていることが分かった。これは時間遅れによる負の減衰による発振現象と思われ、時間遅れを補正する必要性がある。この問題に対して、FIR及びIIRフィルタを用いた解析的検討を行った。FIRフィルタを使った場合、アクチュエータの時間遅れを再現したが、これから実験器での検証と補正用FIRフィルタのテストが必要と思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ、計画通りで実験を実施しているが。発振現象が動的実時間載荷で見られて、それによって応答結果が真実の応答との差がある疑問が疑われている。時間遅れを補正する必要があるが、実験機がテスト時に大きな発振による故障が繰り返していたため、現在実験機の部品の交換と調整作業によって、追加の実験が実施されていない。 来年度では、調整後の実験機を用いて載荷実験を再開し、更に予定されていた設計法の検討も行う。
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今後の研究の推進方策 |
従来では,振動台実験やハイブリッド実験などでは,アクチュエータの時間遅れにより発振現象が報告されている.それを補正するためにはまず時間遅れの度合いを把握する必要がある.そのために,試験体をつけずに,載荷装置のみ動かす空振り運転での動的実験を行った結果、低周波数では観察し難しいですが,周波数に関係なく,時間遅れは統一して0.04秒であったことが分かった.これを補正するため、FIRフィルタを同定して、DSPの制御プログラムに書き込む必要がある。 そして、時間補正FIRフィルタ付きの実時間実験テストを行い、時間補正を順調に行ったことを検証することが成功したら、次に複数の地震動を入力する実時間ハイブリッド実験を実施すべきである。 その後、解析モデルによって実験結果の再現性を解析的に検討する。必要な場合、簡易なバイリニアモデルを改良する方法を提案する。簡易なバイリニアモデルを使って、機能分散された構造を橋梁のライフサイクルコストを考慮した設計法を考案する予定である。
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