直接目視困難なプレストレストコンクリートのテンドンについて初期腐食状態の判定をするための非破壊検査手法を構築した。kHzオーダーの中心周波数の超音波をコンクリート表面より入射し、テンドンからの反射波を取得する。テンドン表面とコンクリートの境界条件はテンドンの健全時と腐食発生時で異なるが、初期腐食状態では差が小さく、判定が困難になる。本研究は寄生的離散ウェーブレット変換(P-DWT)による信号処理を施すことでこの問題を解決した。電食実験によって鋼棒に腐食を発生させた試験体に対し、実証実験を行ったところ、健全状態と初期腐食発生状態の鋼棒画像において、約30%の信号強度の差別化が可能となった。
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