本研究は,地震時の構造物の定量的な被害把握を最終目的として,MEMS加速度・ジャイロセンサを用いた安価な動的傾斜センサを開発するものである.本研究では,入手が容易な市販のMEMS加速度・ジャイロセンサを選定し,試作機を製作した.そして,小型の2軸振動実験を行い,実際の地震時に計測されるであろう傾斜による加速度および角速度の波形を多数計測した.ただし,この振動実験では地震動による加速度は再現できないので,地震動をノイズとして追加した.そして,ロボット制御などで使用される姿勢推定アルゴリズムを適用し,地震時ならではの条件を考慮して,姿勢を推定した.その結果,約0.1度の精度を達成できた.
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