研究実績の概要 |
軽量コンクリート(LC)とは,従来の細骨材,粗骨材に人口構造用軽量骨材に置き換えたものであり,特に,細骨材ならびに粗骨材に膨張頁岩系の人口軽量骨材を用いた場合,従来のコンクリートと比較して20%程度の軽量化が可能である。しかしながら,LCは従来の普通コンクリート(NC)と比較して,せん断強度,ならびにヤング係数が低下するとされている。 一方,2重鋼管・コンクリート合成(Concrete filled double skin tubular,CFDST)部材とは,同心円上に2種類の鋼管を配置し,両鋼管のみにコンクリートを充填した鋼・コンクリート合成部材のことである。CFDST部材は,内鋼管内部が空洞となるため,従来のコンクリート充填鋼管(Concrete filled steel tubular, CFT)部材と比較して,軽量となる利点を有する。したがってCFDST部材を橋脚などの柱部材に用いれば,地震時における慣性力を低減することが可能である。また,CFDSTの充填材料にLCを用いれば,さらなる軽量化がはかれるとともにLCの弱点であるせん断補強効果に関しても鋼管が寄与すると考えられる。 本研究では,CFDSTの充填材料に軽量コンクリート(LC)を用いた部材(L-CFDST)の力学特性の把握を目的とした実験的検討を行った。実験変数は外鋼管の径厚比,ならびに内鋼管・外鋼管径比である。得られた結果より,上記変数が終局強度に与える影響について実験的に検討した。得られた実験結果より,L-CFDSTの終局強度算定方法の定量的な把握を試みた。
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