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2019 年度 実施状況報告書

鉛直地震動による構造物等への影響の解明とその影響を低減させる鉛直免震機構の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 18K04339
研究機関国立研究開発法人防災科学技術研究所

研究代表者

佐藤 栄児  国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主任研究員 (60343761)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード鉛直地震動 / 鉛直免震機構 / セミアクティブ免震 / 回転慣性マスダンパー
研究実績の概要

近年1Gを超える鉛直地震動が観測され、構造物への影響も問題視されつつある。そこで本研究では、その鉛直動の影響低減をめざし、鉛直免震に関して免震周期の長周期化とセミアクティブ技術を用いた鉛直免震機構を提案、検証する。
昨年度実施した過去の地震記録の収集と分析より得られた鉛直地震動による実験的評価を行うため、鉛直での検証が可能な鉛直免震台の設計製作を行うとともに、解析的評価のための鉛直免震システムのモデル構築を行った。また、セミアクティブ免震に用いる可変ダンパーの検討を行い、仕様等の確定を行った。
鉛直免震台として、上部構造の自重を支え鉛直運動のみを許すリンク機構を採用した免震台の設計製作を行った。免震の周期をより長周期化されるため負剛性の効果を期待した負ばねによる復元力機構を本免震台に組み込み、試験体を完成させた。復元力機構は、負ばねの設置状態を調整することで、免震の周期、支持荷重をある程度の範囲で変更することが可能であり、複数の条件下での評価検証が可能となる。
セミアクティブ免震に用いる可変ダンパー(セミアクティブダンパー)として、回転慣性マスダンパーに磁力により減衰力を可変させる機構を組み込んだ可変減衰回転慣性マスダンパーを考案し、数値解析により性能検証を行い、仕様の検討を行った。本ダンパーは、回転慣性を用いることで、免震システムの見かけの質量を付加させることが可能となり、免震対象物の付加質量や免震機構の復元力を変更しなくとも免震周期の長周期化が可能である。この効果により、免震性能が向上することが検討で明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

試験体としての免震台の設計製作が終わり、並行してセミアクティブダンパーの検討を行ってきたが、望む仕様を満たすダンパー設計において、複数回の再検討が生じ、また一部部品の入手が困難(通常はそのようなことは見込まれないが、社会情勢などにより納期が半年ほどかかる状況となった)となり、当初計画から遅れることとなった。
次年度早々にセミアクティブダンパーの設計製作にとりかかり、当初計画の遅れを取り戻す予定である。
次年度の前半までに一連の検証実験を行い、鉛直地震動の影響を低減させる免震機構の高度化を加速化させる。

今後の研究の推進方策

次年度早々に、セミアクティブダンパーを完成させ、鉛直免震台による鉛直地震動による検証実験を実施する予定である。年度の前半までに各種試験を行い、各種データおよび技術的知見の取得をめざす。後半には数値解析等による検討などをあわせて行い、鉛直免震の高度化を実現させ成果の取りまとめを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度において、セミアクティブダンパーの製作等を行うこととしていたが、設計段階において仕様を満たすための検討を複数回実施する事態が生じたことと、一部部品の入手が困難(社会情勢による納期遅延)となり、ダンパー製作が当初計画より遅れた。そのため、次年度以降にダンパーの製作を行うこととなり、使用額が生じることとなった。ただし、次年度早々にダンパーの製作等を行うこととしている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 鉛直免震機構の高度化に関する基礎的研究 その1 周波数領域におけるパッシブ応答の検討2019

    • 著者名/発表者名
      富澤 徹弥、佐藤 栄児、山田 学、貴志 拓哉
    • 学会等名
      日本建築学会学術講演会

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公開日: 2022-03-04  

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