研究課題
基盤研究(C)
近年,川の中に樹木が密生し,洪水氾濫のリスクを高めている.本研究では岡山市を流れる旭川を対象に,航空レーザー測深(ALB)データを活用して河川洪水流の阻害要素や堤防越水リスクを把握し,また洪水位の数値予測精度の向上のために,新たに植生流出サブモデルを開発した.研究の結果,ALBデータを適切に処理することで,河川の地形,植生特性量および地被分類が適切に得られた.また,サブモデルを平成30年の洪水流解析に組み込んだ結果,従来よりも洪水後の植生流出状況を適切に再現することができた.
水工水理学
近年,河川の洪水氾濫は河道弱部より生じており,長区間の河道の中で洪水疎通能力が低下し,また河川堤防が局所的に低下している箇所を早期に把握することが求められる.本研究の成果より,航空レーザー測深によって河川における広域・高解像度の植生特性量や水陸連続の地形および地被状況が一度に把握できる.その結果,研究成果は洪水位の広域・高精度な予測のみならず,今後,河床変動や植生動態の解析においても有用なデータとなることが期待される.