1)「携帯端末の高度情報取得」を司るシステムの検討:高度測定の要素技術としてRTK測位に着目し、この手法を援用しシステム化を行い評価することを目指した。具体的には、研究代表者の所属する機関に過年度設置され観測データが無償公開されたRTK基準局との間で、当該サーバに新たに本研究の経費で電波の送信設備を設け(管理者から内諾取得済み)無線通信を行いながら補正情報をスマホに取り組む方法の、高効率化を含む必要な計測を行った。対象地域が広範なため、加えて小セル方式のWiFiは実用性に乏しいため、WiFi以外に電波法上取り扱いの支障が少ない「デジタル簡易無線(H30年度までに措置済み、フィージビリティの確認済み)」「LoRaWAN等のデジタル系特定小電力無線(R1年度措置済み)」を利用し、従前のアナログ無線方式に対する優位性を検討した。疫病の流行に伴い集団を使った実証試験は出来なかったため、物理的に電波が輻輳する環境を作り模擬的集団避難訓練の環境を作り、システムの安定性を確認した(R2・R3年度)。 これとは別に、携帯端末の中にすでに実装されているジャイロや気圧計などのセンサーを高さ計測誤差補正への支援の可能性を探った(R3修士学生の論文に反映)。 2)端末とサーバ間インターフェースを司る基本構成の検討:端末の取得データを各種データベースと紐づくサーバに集積するソフトを設計し実装した。送受の切り替えタイミングや周波数相互間干渉の有無について、パラメータを大きく振った網羅的な試験研究と最適化検討を行った。 3)東海地震の危険が想定されている自治体について「ハザードマップ運用」「避難訓練の実態」についての調査を実施した(R3年度)。 4)電子情報通信学会(R3年度)・自然災害研究協議会等(R2年度まで)において研究成果を発表した。
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