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2018 年度 実施状況報告書

自動運転技術とシェアリングが融合した新たなモビリティサービスに関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K04393
研究機関熊本大学

研究代表者

溝上 章志  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (20135403)

研究分担者 圓山 琢也  熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (20361529)
藤見 俊夫  熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (40423024)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードシェアリング / 自動運転 / 手段転換モデル / 購入・貸出モデル / 運用シミュレーションモデル
研究実績の概要

国内外で実施されている個人間カーシェアリング(CS)事業についての最新情報を収集した.IT事業を手掛ける企業がプラットフォームになる個人間CSサービスはワンウェイ型のCSサービスよりも普及が進んでいることが明らかになった.
2017年度に別途,試行的に行ったサービス利用者と車両提供者を対象とたAVS (Autonomous Vehicle Sharing)サービスプロファイルに対する仮想選好意識調査のデータを用いて,利用者に対してはAVSサービスへの手段転換モデルを,車両提供者に対しては車両購入・貸出モデルを構築し,推定した.これらのモデルをカーシェアリングサービスの導入可能性の検証用に開発していたマクロ運用シミュレータに組み込んだAVSシステム運用シミュレータを新たに構築した.
第4回熊本都市圏PT調査の29のCゾーンから成るエリアに対してAVSサービス運用シミュレーションを実行した結果,サービス提供後,一旦は車両提供者の元に帰還するサービスに比べて,車両所有者が次に利用するまでは継続してサービスを提供するサービスではより効率的なサービスを提供できることが分かった.AVSの車両価格が安価になるとAVの購入・貸出は増加する.しかし,その増加率の方が利用者の増加率よりも大きいために収益は低下する.サービス提供側としては,車両価格がやや高めの場合が財務的には良いことが明らかになった.AVはかなり高額になることが予想されているが,所有者はそれをAVSサービスの車両として貸し出すことにより,かなり高い収益を得ることが可能となることも明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

1年目の2018年度は,利用者のAVSサービスへの手段転換モデルを,車両提供者に対しては車両提供モデルを構築し,仮想のAVSサービスプロファイルに対する選好意識調査データを用いて両モデルを特定化することを研究の到達目標としていた.この目標は十分に達成された上に,カーシェアリングサービスの導入可能性の検証用に開発していたマクロ運用シミュレータに両モデルを組み込んだAVSシステム運用シミュレータまで構築した.さらに,第4回熊本都市圏PT調査の29のCゾーンから成るエリアに対してAVSサービス運用シミュレーションを実行したところ,AVSサービスの導入による利用需要とAV供給量の均衡値,運用状況,貸出による収益などの試算が可能になった.

今後の研究の推進方策

今後は2018年度に開発して需要予測や評価モデルとしての利用可能性が検証されたAVSサービス運用シミュレーションモデルの構成要素であるAVSへの手段転換モデル,AV購入・提供モデルの改良を行う.さらに,料金や予約リードタイムなど,利用需要と提供車両数に影響を与えると考えられる要因に対して,市場均衡までの挙動をAVSシミュレーションモデルにより追跡する.その上で,都市規模や人口分布,ODパターンの異なる幾つかの都市圏を対象に,AVSサービスの普及による都市圏における自家用車利用距離,モビリティ水準の変化など,ASCサービスの導入による社会的,経済的インパクトの計測を行う.また,都市圏における総合交通サービスの中でのAVSのMaaS(Mobility as a Service)としての位置づけを明確にさせる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Autolib’事業の契約解除とカーシェアリングサービスの行方2019

    • 著者名/発表者名
      溝上章志・森 俊勝
    • 雑誌名

      交通工学

      巻: 53(5) ページ: 43-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Autolib’事業から見た我が国へのワンウェイ型カーシェアリングサービスの導入可能性2018

    • 著者名/発表者名
      溝上章志・森 俊勝
    • 雑誌名

      交通工学

      巻: 53(4) ページ: 54-60

    • 査読あり
  • [学会発表] 運転カーシェアサービスの導入可能性に関するシミュレーション分析2018

    • 著者名/発表者名
      古澤悠吾・溝上章志・森 利勝
    • 学会等名
      土木計画学研究発表会
  • [学会発表] 自動運転技術とシェアリングを融合した新たなモビリティサービスのマネジメント2018

    • 著者名/発表者名
      溝上章志
    • 学会等名
      日本モビリティ・マネジメント会議
  • [学会発表] 自動運転とシェアリングが融合した新たなモビリティとその社会2018

    • 著者名/発表者名
      溝上章志・古澤悠吾・八戸龍馬
    • 学会等名
      ITSシンポジウム

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公開日: 2019-12-27  

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