研究課題/領域番号 |
18K04417
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
一ノ瀬 俊明 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会環境システム研究センター, 主任研究員 (30231145)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | モバイルセンサー / モニタリング / 気候 / 人体生理 / IoT |
研究実績の概要 |
体感温熱環境の面的把握手法の確立を目的として、モバイルセンサーを用いた気象要素と人体の生理的反応に関するポータブル型環境モニタリングを、東京都区部等をモデルケースとして実施するため、ここ数年で取得された夏季典型暑熱日における東京都心航空機リモートセンシング地表面温度画像の解析作業、ならびに地上におけるバイタルセンサー等を用いた人体生理・温熱環境の移動観測データの解析作業を行った。また、2010年以降実施してきた関連先行プロジェクトにおける成果の問題点を洗い出し、この間センサーの開発環境が2Gから5Gへと変化したことを踏まえ、5G時代に適応した観測システムの開発に関する検討を進めてきた。従前の関連研究においては2Gの通信環境下で類似のシステムを開発し、複数の観測事例を蓄積してきたが、リアルタイムのデータシェアリングシステムとしては根本的に無理な部分があったことが明らかになったため、今年度は前年度における検討にもとづき、5G環境下での基本的な部分の開発から実施し、1km四方程度の狭領域における動作が担保されることをめざすべきであるとの結論に至った。 さらに近年の航空機観測事例のうち、2016年夏のデータは飛行時間帯が正午前後であり、時差補正の必要があまり大きくなかったのに対し、2017年秋のデータは午後に寄っていたことや、空気が乾燥していて午後の地表面冷却が速かったため、時差補正の適用には慎重な検討が必要であることが指摘された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
準備段階を含め従前の関連成果を、Ichinose, T. and K. Liu (2019) Mapping of research and policy concerning climate change and cities in Asia. Journal of Art and Design (Taiwan)に投稿することができたものの、屋外観測にかかわる業務契約が4月以降にずれ込んでいる。屋外観測にかかわる業務契約が4月以降にずれ込んだためである。
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今後の研究の推進方策 |
従前の関連研究においては2Gの通信環境下で類似のシステムを開発し、複数の観測事例を蓄積してきたが、リアルタイムのデータシェアリングシステムとしては根本的に無理な部分があったことが明らかになったため、今年度は前年度における検討にもとづき、5G環境下での基本部分の開発から実施し、1km四方程度の狭領域における動作が担保されることをめざす。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末までに予定していた屋外観測にかかわる業務契約が4月以降にずれ込んだためである。この遅れを取り戻すべく、粛々と従前計画を進める。
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