本研究でひずみ速度の実態が解明されることで、現行高温素材試験の画一的なひずみ速度設定値が持つ工学的意味と問題点を明らかにし、建築耐火向けの新試験法の提案を目指した。高温曲げ強度はひずみ速度が大きな場合(3or7%/min.)のひずみ2%時応力の有効降伏強度、高温全体座屈はひすみ速度が小さな場合(0.3%/min.)の0.2%offset耐力で評価可能であることが分かった。通常試験のひずみ速度は全体座屈評価に、一方、試験途中でひずみ速度を上昇させた鋼材強度は高温曲げ強度に対応可能で、現行の素材試験結果を活用し、試験途中にひずみ速度を意図的に上げるという新試験法で、梁と柱の高温強度が評価できる。
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