研究課題
本研究では,長方形CFT柱と正方形CFT柱の試験体をそれぞれ12体ずつ,合計24体作成し,せん断破壊実験を実施する予定であった.3年計画の1年目の2018年度において,長方形CFT柱6体,正方形CFT柱6体の合計12体の実験を行うことができた.2019年度においては,長方形CFT柱3体,正方形CFT柱3体の合計6体の実験を行うことができた.2020年度においては,長方形CFT柱3体,正方形CFT柱3体の合計6体の実験を行うことができた.結果,予定通り長方形CFT柱と正方形CFT柱の試験体をそれぞれ12体ずつ,合計24体作成し,せん断破壊実験を実施できた.これらは,将来CFT指針改定時における,CFT柱のせん断耐力式の精度検証に必要となる重要な資料である.本研究の試験体は,断面せいが150mmと小型ながら,破壊時の最大せん断力は500kNを超えるため,実験の実行自体が難しい.なおかつ,繰返し載荷を行うための加力方向を反転させる作業とこれに伴う芯合わせが難しいが,実験装置を工夫することで解決できている.実験結果の評価と考察のため,九州産業大学の内田和弘教授に協力いただき,汎用解析コードDIANAによる荷重-変形関係解析も実行して両者の対応を見ている.実験で得られたせん断耐力の予測については,日本のCFT指針式と,米国のC.Roederらの提案式を用いて,実験と計算の比較を行い,両者の耐力予測精度が検証された.前者は,予測精度が高く安全側の判定となったが,計算方法が複雑である.一方,後者は,予測精度に劣るものの簡便な計算で耐力推定が可能である特徴を有することが分かった.
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コンクリート工学年次論文集
巻: Vol43 ページ: -
長崎大学大学院工学研究科研究報告
巻: Vol.50, No.95 ページ: 35-41