最終年度となる今年度は、建築現場に適した無人搬送車の開発及び開発した無人搬送車のためのシステムの構築を目的に行う。ソフト面では、ナビゲーションシステムの改良を目的に、これまで別々のPCで作動していたナビゲーションアルゴリズムとSimultaneous Localization and Mapping(SLAM)について、ナビゲーションアルゴリズムをRobot Operating System(ROS)に組み込むことで一台のPCのみで稼動できるように改善している。また、ナビゲーションアルゴリズムついても、長方形マーカーとARマーカーの2種類のマーカーを使用していたが、ARマーカーのみでナビゲーションできるように改善を行っている。さらにVisual SLAMのひとつであるRTAB-Mapを用いて、3次元の環境地図を作成し、点群データの密度は疎になるものの、写真測量を基にしたStructure from Motion(SfM)による3次元の環境地図よりも簡便に作成できることを確認している。また、RTAB-Mapの精度は、2次元LiDAR SLAMの活用と、無人搬送車の移動速度の設定が重要であることを明らかにしている。 また、ハード面としては、建設現場に適した無人搬送車の開発として、ロボットアームの無人搬送車への搭載も試みている。 ソフト面、ハード面ともに、実証実験については、学内の校舎を対象として実施し、コロナによる緊急事態宣言などの影響のため、実際の建築・土木の建設現場などでの実施は実現できていない。 本年度の成果の一部は、The 37th International Symposium on Automation and Roboticsin Constructionと2020年度日本建築学会学術講演会で発表している。
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