事務所建築のエネルギー使用量の約1/3を空調が占めているが、コロナ禍の影響により、想定されるよりも少ない人員での運用を余儀なくされている。室全体を均一な環境に保つ空調計画では、人員の増減に対応した省エネ運転が困難なため、時間的・空間的なムラを許容する空調計画が必要とされている。温熱環境適応の概念に基づき、利用者が適応しやすい状況を用意することで、アンビエント環境の緩和が可能になる。現在主流となっている対流式のタスクユニットを用い、個々の利用者が好む気流性状を提供することで、快適を獲得しやすい状況が実現可能と考えられる。皮膚温分布の特性から、好まれる気流性状のパターンを導ける可能性が示された。
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