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2018 年度 実施状況報告書

オフィスコンバージョン等へ対応可能な小口径圧送排水システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K04468
研究機関関東学院大学

研究代表者

大塚 雅之  関東学院大学, 建築・環境学部, 教授 (20288088)

研究分担者 呉 光正  関東学院大学, 建築・環境学部, 助手 (40812053)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードコンバージョン / 圧送排水システム / 小口径排水管 / リニューアル / オフィスビル / 排水立て管システム / 排水能力 / 待ち行列理論
研究実績の概要

本研究は、主にオフィスビルのコンバージョン(用途転用)やリニューアルに伴い、水廻り空間を排水立て管の設置されるパイプシャフトの位置や排水横管の勾配に左右されることなくフレキシブルに設置でき、排水を円滑に排除できる小口径圧送排水システムとそれの接続される重力排水系統を総合的に捉えた新たな排水システム(以下、ハイブリッド排水システムと呼ぶ。)の提案と性能評価、さらには設計手法への展開を目的としたものである。その実現に向けた初年度の研究実績は、以下のとおりである。
(1)研究代表者が実施してきた排水横管に設置する小口径圧送排水システムについて、既往の成果を整理し、課題点を整理した。これは、新規の実験検討を行う上で重要な意義がある。その成果を踏まえ、特に、新築建物へ小口径配管を先行的に敷設した床上対応システムでの実験検討を行い、同システムへの設置器具数、適応配管径などを把握した。その成果は、既往研究成果も含め、国際シンポジウム等で論文発表を行った。
(2)排水横枝管に接続された既存連立大便器に、当該圧送排水システムからの排水を合流させる場合を想定し、排水負荷を待ち行列モデルを用いたシミュレーション手法を用いて推定するために、先ず既存重力式の連立大便器システムでの排水負荷を計算で求め、設計用許容流量との比較検討を行った。
(3)前記の(1)で検討した重力式排水横枝管と小口径圧送排水横枝管を併用したシステムが、高層オフィスビルに設置された場合を想定し、実物大排水実験システムを用い、排水負荷を与えた結果、従来の重力式排水方式に比べ、圧送排水方式は排水立て管システムの排水能力へ及ぼす影響が少ないことがわかった。また、重力式排水と圧送排水を併せたハイブリット排水システムによる排水負荷実験の実施し、排水能力へ及ぼす影響について定量的に把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究対象としたハイブリッド排水システムの性能評価を、先ず、排水横管部と排水立て管部に分けて実施する予定であり、両者とも順調に実験及び解析が進んでいる。今後の課題は、研究成果をいかに実務設計レベルに展開できるかであり、実配管を想定した補足排水実験等の実施が必要になることもあるので、次年度には、その対応も含め、実験補助要員、配管材料との調達も準備しており十分な状態にある。また、実験の基幹常設設備となる排水実験タワー装置の経年劣化による故障時による一時中断等が生じた場合にも、実験の遅れを生じないようにバックアップ装置等の準備を検討してある。

今後の研究の推進方策

初年度までに、想定した小口径圧送排水システムと重力式排水システムを併用したコンバージョン対応型のハイブリッドシステムの排水性能について、概ね把握できた。今後は、その成果を、徐々に国内外の査読論文として、学会へ投稿し評価を受けることを予定している。また、実排水負荷の排水負荷変動の推定について、初年度は重力式排水システムでの排水負荷の推定がメインであったので、それに圧送排水を追加したシミュレーションモデルを構築し、排水負荷の推定を行う。以上の成果を併せて、具体的なシステム提案と性能評価方法、計画・設計に資するデータとしてまとめることを予定している。

次年度使用額が生じた理由

当初想定していた成果発表の学会等の出張費用、査読論文等の英文校閲費用等が、全て使用に至らなかったためで、次年度はその点を踏まえ使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 大便器の洗浄パターンによる給水負荷算定シミュレーション手法の検討2019

    • 著者名/発表者名
      呉光正,大塚雅之
    • 雑誌名

      関東学院大学大沢記念建築設備工学研究所報

      巻: No.42 ページ: 3~7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Applicability of a Force-Feed Type Drainage System in Pursuit of Sustainability of Sanitary Spaces2018

    • 著者名/発表者名
      Yudai Motomura, Masayuki Otsuka, Shingo Tanabe, Kaori Shiraishi
    • 雑誌名

      Book of Papers: 2018 Conference on Innovative Low-Carbon and Green Buildings in Subtropical Area

      巻: - ページ: 75~85

    • 査読あり
  • [学会発表] オフィスコンバージョンに対応した圧送排水システムの性能評価と設計・計画手法に関する研究 その1 圧送排水が既存排水立て管の排水性能に与える影響の検討2019

    • 著者名/発表者名
      本村雄太,大塚雅之
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会東北支部第8回学術・技術報告会(仙台)
  • [学会発表] オフィスコンバージョンに対応した圧送排水システムの性能評価と設計・計画手法に関する研究 その2 待ち行列理論を用いたシミュレーションによる排水負荷の推定2019

    • 著者名/発表者名
      呉光正,大塚雅之
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会東北支部第8回学術・技術報告会(仙台)
  • [学会発表] 業務用ビルのコンバージョンに対応した圧送・重力併用ハイブリット排水システムに関する研究 その3 既存排水横枝管への圧送排水合流の影響と圧送排水ポンプの通気システムに関する検討2018

    • 著者名/発表者名
      本村雄太,大塚雅之,大塲涼太,田辺慎吾,水出喜太郎
    • 学会等名
      2018年度日本建築学会大会学(東北)

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公開日: 2019-12-27  

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