研究課題/領域番号 |
18K04478
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
野原 卓 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (10361528)
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研究分担者 |
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80322098)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | まちづくり拠点 / ローカルコア / 郊外住宅地 / 団地 / 学生居住 / 公民学連携 / 地域コミュニティ |
研究実績の概要 |
本研究では、縮減時代を迎える中で単世代化・高齢化・空家や更新問題を抱える郊外住宅地 再編について、空間・機能・主体という3つの視点から、これまでの団地の領域を乗り越えた方法論を開発するものであり、中でも「ローカルコア」(地域の活動拠点)を契機として、これまでの領域を乗り越える方法論として考えうるか、検討するものである。 当該年度の研究実績としては、新たな主体としての「学生」とその活動が団地領域を乗り越えた方法論になるかを確かめるための空き住戸への学生居住社会実験(3戸:横浜市旭区左近山団地)、そして、公(行政)×民(民間企業と市民)×学(大学)による「ローカルコア」(まちづくり拠点)の可能性に関して、「ローカルコア」のあり方・可能性の整理、及び、具体的な郊外住宅地の「まちづくり拠点」(横浜市旭区南万騎が原駅前「みなまきラボ」)の運用実験を通したその可能性の検討を行っている。前者に関しては、高齢単身者が多い高齢化の進行した郊外団地においては、高齢者になればなるほど学生居住への期待・評価が高く、生活支援・交流を求めつつ、存在による安心感が評価されている一方、事業の持続性に課題がある点が明らかになった。後者に関しては、まちづくり拠点には、自治型・行政型・(地域型)・民間型などのタイプが多い中で、実験では民間型を中心とした公×民×学連携による拠点が有する可能性、および、地域主体中心のまちづくりとも異なる可能性が見いだせていること(通常の地域運営には参加しにくい層の参画など)が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
横浜市における郊外住宅地全体の状況を把握した上で、それぞれの状況に応じた対応策としての方法論を分類したうえで、具体的なケーススタディを進める予定であったが、横浜市内の郊外住宅地データの収集には情報上及び作業上の課題も生じており、進捗が遅れている。 ケーススタディについては、左近山団地及び南万騎が原駅前(万騎が原住宅および南万騎が原住宅)に関する社会実験および活動は進捗しているが、他のエリアに関してはまだ進んでいない。また、国内事例調査については、新型コロナウイルス感染症における対処及び緊急事態宣言発令の影響などもあり、実現していない。
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今後の研究の推進方策 |
これまで具体的に実施してきたケーススタディ(左近山団地における学生居住社会実験及び南万騎が原駅前でのまちづくり拠点実験)については、継続的に実施し、データを収集しながら、空間的・機能的・主体的に新たな要素を挿入して行う郊外住宅地再生のあり方及び「ローカルコア」(まちづくり拠点)のあり方を整理して進めてゆく。 また、今後改めて、横浜市及び国内事例等の探索調査を実行して、上記の社会実験以外に、こうした再生を実現している事例(アーバンデザインセンターを核とした郊外住宅地再生を実施している、金沢シーサイドタウンや高島平団地ほか)・ケースを調査し、社会実験とも比較しながら、「ローカルコア」による郊外住宅市再生の可能性について検証してゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定されていた国内事例調査および、データ収集に関する作業が進んでいないため、それに関する支出がほとんどなされていない。翌年度分と合わせて、事例調査及びデータ収集と分析に関する調査を推進する予定である。
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