1、社会的課題の構造と国際的な動向の調査:心理学とワークライフバランスの研究者との連携は計れなかったものの、代表者と同大学の女性教育史および男女共同参画に関する実践的研究者との連携を行い、本研究テーマである「子連れコワーキング」の対象がほぼ女性になるという状況を鑑みた時の「ジェンダー平等」の観点からの分析が必要という課題を得た。2020は共同研究の手がかりとしてオールジェンダートイレの設計の研究という新しい課題の研究開始につながった。また予定していた通り、中国西安にて開催された国際学会(EBRA2020)に論文を投稿し、査読を受けて発表資格を得た(新型コロナの影響で会議はオンライン開催)。論文タイトルは「Experiment on and Verification of Coworking Space Usable with Children」であり、プロシーディングスに掲載された。なお、この発表は、CERTIFICATE OF EXCELLENCE を受賞した。
2、子連れでの仕事を可能にする空間的要件と運営上の課題の調査:愛知県幸田町に設計した「多世代交流施設」の子連れコワーキングスペースは、コロナ感染の影響もあり調査は実施できなかった。しかし、岐阜県下呂市に設計した「オーガニックワークプレイス」について開設以降1年間の利用状況調査を行い「子連れ」というニーズに対応して多様に利用されている実態が把握された。
3、現状のライフスタイルに与える効果と新しいライフスタイルの調査:2019年度に想定外の事態により進展させられなかった、ライフスタイル調査について、今年度はパンデミックの影響もあって、学内の子連れコワーキングスペースの閉鎖を余儀なくされた。テレワークを含むワーク・ライフスタイルの変容のなかで、当スペースの果たしうる役割について継続的に調査を行う予定である。
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