本研究は急性期病院手術部を対象に,高回転運営を可能にするモデルプランの提案を目標としている。研究手法の特徴として長期PDCAが挙げられる。2018年以降,現状評価から課題の抽出,改善案の提案,改善の実行,評価と課題の抽出を繰り返している。 フェーズ1:2014年度実行済み,フェーズ2:2015年度実行済み,フェーズ3:2018年度計画,フェーズ4:2019年度計画,フェーズ5:2020年度計画(新型コロナウィルスの感染拡大で調査できず2年延期となり2022年度が最終年となった) フェーズ4:2019年度計画までの実績の主旨として,以下を記した。2018年度以前の調査結果から,手術個人キット作成時の調達行為に課題があったため,①看護補助者を2名増員,②個人セット作成と輸送の一元化,③物品配置の集約化,④器材保管スペースの中央化の改善提案を行った。申請した研究期間である2018年度~2019年度では,改善提案②~④が実行され,また手術部の増築も行われた。2019年の使用後評価では,「手術物品の取り揃え・チェックと補充」の業務時間と動線が8.3%から0.1%に減少し,「室内及び室外の準備」は動線量が15.8%から26.4%と増加し,「物品管理業務」に係る時間量が2.8%から1.7%,動線量が8.8%から2.8%に削減できた。 フェーズ5の先端医療技術導入の事例調査として,新型コロナウィルスの感染拡大が続く中で許可を得た以下8病院の手術部についてヒアリング調査を行った。(2022.05川西市立総合医療センター,2022.08加古川市民中央病院,2022.11藤田医科大岡﨑医療センター,2022.12トヨタ記念病院,2022.12豊田地域医療センター,2022.12国立循環器病研究センター,2022.12市立伊勢総合病院,2023.01鳥取県立中央病院)
|