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2019 年度 実施状況報告書

多様化する需要と余剰建築ストックを繋ぐ不動産利用権と金融システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K04488
研究機関明海大学

研究代表者

中城 康彦  明海大学, 不動産学部, 教授 (30286009)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードタイムシェア / コンドミニアムホテル / 経営代理人 / ホテル運営者 / 経営 / 短期レンタル / 区分所有者 / 民泊
研究実績の概要

日本都市計画学会に「マンションの空き住戸の宿泊利用の可能性からみた専有部分の経営と共用部分の管理の方法」を投稿し、査読論文としてして採択された。研究内容は、都市計画論文集Vol.54 No.3( 2019年10月)pp261-267に収録された。
日本で大きな課題となっている空き家の有効活用の方策として、シェアリングエコノミーの考え方に基づき、一つの不動産を多数で利用することが考えられる。その際、同時に複数で占有する方法と時間を区分して当該時間について排他的に占有する方法が考えられる。前者はシェアハウスなどの形態で日本でも普及の兆しがある一方、後者は一部のリゾート施設を除いて例がない。また、日本の課題の一つとして、分譲マンションの専有部分の空き家や民泊利用について、区分所有者の規範に委ねられ、結果としてマンション全体の資産価値を低下させる問題がある。この点を改善するためには、区分所有建物の専有部分の利活用について、マンション全体の方針に基づいて行う仕組みづくりが求められる。
以上の課題解決の指針を得ることを目的として、米国ハワイ州のタイムシェアの調査分析を行った。タイムシェアは1週間を基本として52人で区分所有権を購入し、自ら利用するほか、利用しない期間についてはホテル利用をするものである。一つの不動産を複数で所有することで価格を抑えて取得や利用を用意にする、区分所有者の利用やホテル利用を円滑に行うために、分譲マンション全体で一人の経営代理人(Plan Manager)に経営をゆだねるなどの仕組みがある。ホテル経営者にとっては、ホテル施設を自分で整備することが不要なで、金融機関からの借り入れすることなくホテル経営が可能となる金融の側面がある。
本研究により、多様化する需要と余剰建築ストックの利用、不動産利用権と金融システムのあり方について示唆を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度、2019年度の研究成果をまとめる形の研究論文が、2019年度に都市計画学会の査読論文として採択されたことより、これまでの研究はおおむね計画通り進捗しているものと判断している。もっとも、英国のシェアードオーナーシップについては、これまでのところ十分な取り組みができていないことを補う必要がある。
一方で、新型コロナウィルスの影響が、不動産分野にも表れ、本件研究課題と深く関連するような緊急の研究課題が出現する可能性がある。このことには柔軟に対応していくことが研究の使命と考えている。

今後の研究の推進方策

当初の計画に沿って3年目(最終年)の研究を進める予定である。超高齢社会の日本の安寧のためにリバースモーゲージは必須の仕組みである一方、普及は進んでいない。加えて新型コロナウィルスの影響による景気後退や不動産価格の下落も懸念される。リバースモーゲージのこれまでの課題を分析するとともに、経済社会の状況変化を踏まえた課題解決の方策について研究を進める予定である。
併せて、最終年として3年間の研究成果の取りまとめを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

年度途中でWindows7のメンテナンスが中止され、セキュリティに問題が生まれたことより、PCを入替えた。そのため物品費が嵩んだことが理由である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] マンションの空き住戸の宿泊利用の可能性からみた専有部分の経営と共用部分の管理の方法2019

    • 著者名/発表者名
      中城康彦 齊藤広子
    • 雑誌名

      都市計画論文集

      巻: Vol.54 No.3 ページ: 261-267

    • 査読あり
  • [学会発表] マンションの空き住戸の宿泊利用の可能性からみた専有部分の経営と共用部分の管理の方法2019

    • 著者名/発表者名
      中城康彦
    • 学会等名
      日本都市計画学会

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公開日: 2021-01-27  

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