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2019 年度 実施状況報告書

廻船ルートで栄えた日本海沿岸(北陸~東北地域)町家の建築構法・建築文化の継承

研究課題

研究課題/領域番号 18K04490
研究機関和洋女子大学

研究代表者

小林 勉  和洋女子大学, 家政学部, 特任教授 (10646938)

研究分担者 西村 伸也  新潟大学, 自然科学系, 教授 (50180641)
棒田 恵  新潟大学, 自然科学系, 助教 (80736314)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードせがい造り / 出し桁 / 町家 / 鶴岡 / 酒田 / 三国 / かぐら建て / 平入り
研究実績の概要

本年度は、山形エリアと福井エリアの日本海沿岸のふたつの地域を調査し、学会本大会と学会支部大会へ投稿した。
A・北陸・新潟エリアの北側に位置している山形県(酒田・鶴岡・遊佐・飛島)の町家に焦点をあて研究調査を行った。山形県海岸部の町家から、以下のことが分かった。
1) 出し桁造りをせがい造りと呼んでいた。2) せがい造りは、平入りだけではなく妻入りもあり、妻入りがその多くを占めていた。3) 妻面は、せがい造りと多層梁(妻壁化粧)の組み合わせ、あるいは多層梁の仕上で豪華な印象を醸し出していた。4) 妻側を飾る引き綱は、山岳信仰という風土的な意味合いが現代に受け継がれている。
B・福井県三国町の町家のエリアは、3つのゾーンに分けられた。そこで、福井県三国町のなかでも三国駅の南西街区(旧丸岡藩の飛び地)に着目し外観特性について述べる。それ以外のエリア・内部空間については次報とする。
1)かぐら建てという屋根形状が捉えられた.2)出し桁造りの梁の多くは@1820㎜間隔であった。3)梁の部材寸法は山側が太いことが分かった。4)垂木間隔は短い間隔で断面寸法は45×60~40×65㎜が過半を占めていた。5)腕木の出巾は出寸法は455~750㎜で構成されていた。以上のふたつの地域を調査し上記のことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

山形エリアの調査で外観形成については、一定の結果が得られた。内部調査を行いたい。また、福井県三国町の町家調査は、3つのエリアの内、南西側(旧丸岡藩)のみ外観調査した。しかし、コロナウイルスの蔓延、移動の禁止から調査ができない現状であった。今後の動向を見据え調査を再開したいが、現状では様子をみているだけである。こんな環境により調査が伸び、そのまとめ、分析なども遅れる現状である。

今後の研究の推進方策

現在、コロナウイルスの蔓延により、県をまたぐ移動は自粛するよう国や都道府県から要請が出ている。今後、この規制が解除された後、山形エリアの内部調査及び三国地域の外観調査を行っていない、ふたつの地域の調査を行う。引き続いて内部調査を行っていく。
これら研究が終わった後、石川県・富山県との関係、福井県・石川県との関係を分析し、その後、福井県・石川県・富山県・新潟県・山形県の廻船で栄えた日本海沿岸の町家について一連の考察を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度はコロナウイルスのため、県外への移動禁止、調査家屋の実測・ヒアリングなどを行うことができなかった。そのため、次年度以降各県への移動解除・並びに人との接触などが一定の工夫で可能となった時に再度調査・ヒアリングを行い分析し論文にまとめたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 山形県海岸部町家の外観特性に関する研究 その12020

    • 著者名/発表者名
      小林 勉
    • 学会等名
      日本建築学会北陸支部(新潟)研究報告集
  • [学会発表] 福井県三国町における町家の外観形成に関する研究 その12020

    • 著者名/発表者名
      小林 勉
    • 学会等名
      日本建築学会大会(千葉)研究報告集

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公開日: 2021-01-27  

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