過年度に実施した地方公共団体でのGISの導入状況のアップデートを目的としたアンケート調査(回収率89%)の詳細分析を行った.この分析からは,確実に地方公共団体でのデータ整備が進んでいることや,建物関係ではより多彩な属性情報を取得する動きが見られるようになったこと等が観られ,このことから今後の都市計画での建物データのユースケースが多様化していくことを示唆していると考えられる. また,現地調査に変わる革新的な技術による調査手法の検討として,AI(人工知能)による方法と,3次元モデリングによる方法等を検討した.特に後者の3次元モデリングによる調査方法の試行では,単なる写真だけでは用途の判定が難しい場合に,視点を任意に変えて多方向から確認することが可能となることから,判別につながる場合が多くなるだけでなく,工数が全体的に抑えられることから,より低コストに調査を実施できる場合が多くなること等が明らかとなった.さらに,この技術は単に調査のためのデータではなく,都市全体を3次元化しておくことにつながること等の理由から,単なる用途判別にとどまらず,様々な応用への足がかりをえることがわかった.最後に本研究を俯瞰的に観ることにより,研究全体のとりまとめを行った.
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