研究課題/領域番号 |
18K04504
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
真野 洋介 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (70329134)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 歴史的市街地 / 都市変容 / 地方創生 / 都市再生 / ライフシフト / 住環境 |
研究実績の概要 |
今年度は、昨年度までのコロナ禍の影響により、空間再編と地域創造圏の動的生成プロセスの解明に関する研究協力者とのディスカッションが十分実施できなかったことを受けて、状況の打開に向けた以下の2つのアプローチから、引き続き調査・分析と考察を進めた。 第一のアプローチとして、本研究の核となる対象地域である宮城県石巻市、富山県高岡市、広島県尾道市において、コロナ禍前後の空間と場所の変容に関する調査を実施し、その結果の中で特徴的な場所と活動に関係する個人を抽出し、各個人ごとのライフシフト(人生や仕事、暮らしの選択と価値観、キャリアの変化)と場所形成、活動ネットワークの展開、場所形成を通じた地域におけるプロジェクトと事業展開、に関するヒアリング調査を実施した。これらの調査結果をもとに、これらのネットワークと事業展開が進んだエリアにおける、地域創造圏の生成過程とマネジメント手法についての分析を行った。 第二のアプローチとして、上記3地域における場所形成に基づく空間再編と地域創造圏の動的生成プロセスのルーツとなる時間軸(1945年から2000年まで)を設定し、戦後期以降の空間変容とそれに関連する文化活動、施設整備等を包括的に把握、整理し、上記3地域が属する広域的な圏域として、東北地域(宮城県沿岸部の都市)、北陸地域(富山県、石川県、福井県の主要都市)、瀬戸内地域(兵庫県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県の中核都市と連携都市)における文化主導の空間変容過程と特徴的なエリアの形成過程についての分析を継続的に進めた。 これらの結果を踏まえた今年度のまとめとして、各対象地域の研究協力者とディスカッションを行い、空間再編と地域創造圏の動的生成プロセスに関する知見を再度抽出した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象地域での研究協力者とのディスカッション、現地での追加調査を踏まえた研究のまとめの一部が実施できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度十分実施できなかったエリアにおける現地での追加調査とディスカッションを可能な限り実施し、調査、分析内容の質的向上を図る予定である。 また、空間再編と地域創造圏の動的生成プロセス分析、研究協力者とのディスカッションを継続的に実施し、知見の精度向上につとめる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度、関係者とのディスカッションが実施できなかった部分と、研究成果をまとめきれなかった一部があり、それらの成果をまとめて学会発表の実施に充てる計画である。
|