第一に、10万人規模の地方都市を核とした圏域における、2010年以降の10年間とコロナ禍の間に開設された場所、活用ストック、個人や組織による活動とプログラムを包括的に把握し、歴史的市街地を中心とした都市空間の再編に、創造的活動の連関が及ぼした影響を明らかにしたことである。第二に、スポンジ化と呼ばれる、地方都市特有の虫喰い状の低未利用地に対し、場所の集積と活動は、個々には小規模で分散しているものの、エリア全体では数十から約百箇所集積し、そのネットワークが新たな近隣生活圏の形成に寄与し、10年の時間軸の中で役割を変えながら、エリア拡大や連携をもたらす推進力となっていることを解明したことである。
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