研究課題/領域番号 |
18K04508
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金多 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (10301243)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 建築生産 / 官民連携手法 / 建設プロジェクト / 建設マネジメント / 国際化 |
研究実績の概要 |
本研究課題では海外建設プロジェクトの円滑な運営手法を検討してきた。特に、発注者の意思決定は設計変更の発生や細部の決定の遅延に関わり、プロジェクトの進行に大きく影響するため、日本と海外の発注者がプロジェクトのリスクをどのようにとらえ、どのように対応するのか、その姿勢の差異を把握することが重要である。 今年度は、日本と米国のプロジェクトリスクに対する考え方の違いを明らかにするために、日本と米国の工事請負契約約款の比較および日本と米国の4つの建築プロジェクトにおける設計変更・追加予算承認プロセスの比較分析を行った。設計変更を生じたときに、変更が承認され、追加予算が承認されるプロセスは、日米でかなり異なることが知られているが、それを具体的事例で調査分析したものは少ない。 比較分析の結果、少数事例に限定されるものの、日米の実態の違いを明らかにした。そこから導かれる日本の建築生産システムの問題点として①設計変更のリスク分担の曖昧さ、②契約図書中に確定した仕様と暫定仕様が混在していること、の2点を示した。他の日米プロジェクトにおいても本研究と同様の結論が得られるかについては、さらなる検証が必要である。 今後の展望としては日本において発注者と施工者のこれらの共通理解を図るためのしくみを構築することが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、通年にわたり教育研究活動が阻害された。
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今後の研究の推進方策 |
研究のとりまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画していた調査が実施できず、旅費を使用できなかった。次年度に調査を実施したい。
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