本研究では、現在の地方都市の中でも特に空襲や戦災によって破壊された都市を研究対象とし、戦後の頃に住民たちの生活の中心であった中心市街地が、高度経済成長期の都市拡大を経て、衰退していく過程を都市解析手法を用いて分析した。それは単に数値的な分析を行っただけではなく、その過程で生まれる“思い入れ”、例えば中心街で生活してきた方々が「中心街が中心街であるべきだ」と思うこと、それを「直接経験」と呼び、その「直接経験」も含めた都市空間のあり方をこの研究では考えた。そのために都市解析データと住民インタビュー、史的研究を合わせた研究成果を得た。
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