研究課題/領域番号 |
18K04518
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
小笠原 正豊 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (00750390)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 設計者 / 建築家 / エンジニア / 分業 / BIM / 設計プロセス |
研究実績の概要 |
R3年度はコロナ禍の影響により、計画通り海外調査を進めることができなかった。 R3年度は、H30年度に行った米国東海岸における12団体に対しての調査、および11月に行った英国における8団体に対しての調査内容をもとに、「仕様分類体系の国際比較に関する一考察」として日本建築学会計画系論文集に発表した。また、日本建築家協会発行の『Bulletin』にて「建築生産における協業を考える」と題した連載、および建築士連合会発行の『建築士』にて「建築というもの造りプロセスの東西併存の径を探る」としたインタビュー記事にて、設計者間の分業について調査結果を発表した。 R2年度Journal of Asian Architecture and Building Engineering(0.384 (2019) Impact Factor)にて日米英の設計組織の分業についての論文を発表したことにより、海外からの問い合わせを受けることも多くなったことから、日本国内にとどまらず、広く海外に向けて発信することができたと言える。 本研究は「設計者」の役割・責任の分担が進展している背景及び分業構造の実態を把握し、その分業が進行するメカニズムの解明を試みることを目的としている。AIA(American Institute of Architects)による米国とRIBA(Royal Institute of British Architects)による英国という20世紀初頭から建築設計分野をけん引してきた両国における設計者間における分業の状況は、ある程度調査できたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R2年度はR1年度までに調査した内容を論文として発表した点では進捗がみられる。 しかしコロナ禍の影響により、R3年度においてもともと予定していた調査が実施できなかった。そのためさらに1年間の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
アーキテクトやエンジニアといった専門職を中心として建築設計を進める手法は、英米からアジア諸国へと輸出されていったが、どのように現地の分業体制に反映されているかまでは調査ができていない。また、ICT・BIMによって分業がどのように再編されつつあるのか明確になっていない。最終年度のR4年度は、米国南部西海岸およびアジア諸国への追加ヒアリングを考えているが、海外渡航の自粛が続いた場合は、文献を主とした調査に切り替える予定である。国際情勢を見極めながら都度判断していきたい。 設計者間の分業に対して、設計者にのみ視点を当てるのではなく、建築生産に対してどのような設計情報が必要とされ、そのためにはどのような職能および分業が必要になるのかという視点で本年度の研究を引き続き遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費・旅費・人件費とも、R3年度はコロナ禍により予定よりも使用しなかったため次年度使用額が生じた。R4年度も含め平準化して使用する予定である。
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