研究実績の概要 |
平成30年度(1年目)の東北・関東・中部地方の神社42,520件に対し、令和元年度は北海道、近畿、中国、四国、九州地方の神社31,733件となり、3,571件にアンケートを送付し有効回答676件(18.9%)を得た。令和2年度(3年目)は当初、現地調査や補足調査を予定していたが、4月の緊急事態宣言やその後の研究室でのゼミの制限から完全リモート対応の研究に切り替え、主に3種類の研究(a.文献研究,b.データベースの精査,c.東京都の悉皆調査)を行い、コロナが収束しつつあった11~12月は現地調査(新潟、福島、長野等)を実施した。 a.文献研究:日本の美術2No.81,古代の神社建築,稲垣栄三著、原色日本の美術(16)神社と霊廟,稲垣栄三著、神社-その御利益と祭神-,川口謙二著 b.データベースの精査:全国の神社74,074件の神社名の地域性を検証。 c.東京都の悉皆調査:東京都神社年鑑(上・下巻)から東京都の全1,444件分の神社の名称、住所、由緒、御祭神、構造、竣工年、様式等を入力しアンケート結果と比較した。 令和2年度の研究成果は4年生3名が卒論「神社の名称・御祭神と社殿の形式・構成の関係に関する研究-全国と東京都の調査-」、「神社の境内建物と利用・氏子との関わりに関する研究―全国と東京都の調査―」、「神社建築の構法の変遷と地域性~全国と東京都の調査~」を卒業論文発表会で発表した。主な内容は東京都の神社の実態(名称、由緒、御祭神、氏子・参拝者、祭事、境内建物)、社殿形式(流造,神明造,権現造,入母屋造,他)や社殿構成等を文献(東京都神社年鑑)からデータベース化し精査した。また、神社名と御祭神、神社名と本殿形式などを検証し、全国の調査結果と比較し東京都の神社の特徴を明らかにした。同様に神社の利用や構法の変遷などについては東京都の神社の現地調査を踏まえ実態や特徴を明らかにした。
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